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影の国のローザ

影の国のローザ
おきにいり!
  • 少し切なくて、どこかあたたかい、ファンタジーの物語絵本
  • 4歳~のおにいさん、おねえさん、ママにおすすめ

著作者情報とご利用にあたって
  • この絵本はあかえほのオリジナルコンテンツです。絵本の著作権はあかえほ、ならびに担当イラストレーター様に帰属します。
  • ご家庭・非営利目的で活動する少人数のグループ・保育施設などでのご利用に限り、PDF絵本を無料でダウンロードいただけます。
  • 絵本は予告なく内容変更・削除となる場合があります。
  • 絵本および挿絵の無断転載、二次利用は厳禁です。挿絵の一部は有料販売しております。挿絵を商用利用されたい方は有料サイトでご購入ください。
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  • 絵本の挿絵の一部は姉妹サイト「ちびそざい」にて白黒版を配布しています。園だよりなど、非営利目的でご使用ください。

少し切なくて、どこかあたたかい、ファンタジーの物語絵本


影の国のローザ

文:ちびこママ 絵:naokuro

ここは、<ruby>影<rt>かげ</rt></ruby>の<ruby>国<rt>くに</rt></ruby>。<br>
<br>
わたしたちは、<ruby>人<rt>ひと</rt></ruby>の<ruby>形<rt>かたち</rt></ruby>をした、<ruby>影<rt>かげ</rt></ruby>。<br>
<br>
<ruby>影<rt>かげ</rt></ruby>の<ruby>国<rt>くに</rt></ruby>では、わたしたちは、<ruby>自由<rt>じゆう</rt></ruby>に <ruby>動<rt>うご</rt></ruby>くことができる。<br>
<br>
<ruby>考<rt>かんがえ</rt></ruby>えることが できる。<br>
<br>
おしゃれな <ruby>服<rt>ふく</rt></ruby>をきて、 お<ruby>友達<rt>ともだち</rt></ruby>と おしゃべりするの。<br>
<br>
<ruby>同<rt>おな</rt></ruby>じことを くりかえす <ruby>毎日<rt>まいにち</rt></ruby> だけど、 とても<ruby>幸<rt>しあわ</rt></ruby>せ。<br>
<br>
<ruby>永遠<rt>えいえん</rt></ruby>に つづく <ruby>幸<rt>しあわ</rt></ruby>せ。

ここは、かげくに

わたしたちは、ひとかたちをした、かげ

かげくにでは、わたしたちは、自由じゆうに うごくことができる。

かんがええることが できる。

おしゃれな ふくをきて、 お友達ともだちと おしゃべりするの。

おなじことを くりかえす 毎日まいにち だけど、 とてもしあわせ。

永遠えいえんに つづく しあわせ。

<ruby>影<rt>かげ</rt></ruby>の<ruby>国<rt>くに</rt></ruby>に いるものは、 なまえを <ruby>持<rt>も</rt></ruby>たない。<br>
<br>
だけど、わたしは <ruby>自分<rt>じぶん</rt></ruby>の、かつての なまえを <ruby>知<rt>し</rt></ruby>っている。<br>
<br>
<br>
わたしの なまえは、ローザ。<br>
<br>
<ruby>古<rt>ふる</rt></ruby>い <ruby>古<rt>ふる</rt></ruby>い <ruby>昔<rt>むかし</rt></ruby>の <ruby>記憶<rt>きおく</rt></ruby>の なかで、<br>
<br>
わたしの お<ruby>母<rt>かあ</rt></ruby>さんだった <ruby>人<rt>ひと</rt></ruby>が、<br>
<br>
わたしの ことを、ローザとよんだ。

かげくにに いるものは、 なまえを たない。

だけど、わたしは 自分じぶんの、かつての なまえを っている。


わたしの なまえは、ローザ。

ふるい ふるい むかしの 記憶きおくの なかで、

わたしの おかあさんだった ひとが、

わたしの ことを、ローザとよんだ。

ただただ、<ruby>楽<rt>たの</rt></ruby>しかった <ruby>日々<rt>ひび</rt></ruby>の <ruby>記憶<rt>きおく</rt></ruby>。<br>
<br>
かわいいローザ、<ruby>愛<rt>あい</rt></ruby>するローザと、<br>
<br>
<ruby>今<rt>いま</rt></ruby>でも、あなたの <ruby>声<rt>こえ</rt></ruby>が、<ruby>聞<rt>き</rt></ruby>こえる <ruby>気<rt>き</rt></ruby>がする。<br>
<br>
<br>
わたしは <ruby>不幸<rt>ふこう</rt></ruby>にして、からだを<ruby>失<rt>うしな</rt></ruby>い、<br>
<br>
<ruby>影<rt>かげ</rt></ruby>の<ruby>国<rt>くに</rt></ruby>へ やってきた。<br>
<br>
<ruby>痛<rt>いた</rt></ruby>かったとか、<ruby>苦<rt>くる</rt></ruby>しかった とかは、<ruby>覚<rt>おぼ</rt></ruby>えていないの。<br>
<br>
<ruby>今<rt>いま</rt></ruby>は ただ おだやかな <ruby>毎日<rt>まいにち</rt></ruby>を くりかえすだけ。

ただただ、たのしかった 日々ひびの 記憶きおく

かわいいローザ、あいするローザと、

いまでも、あなたの こえが、こえる がする。


わたしは 不幸ふこうにして、からだをうしない、

かげくにへ やってきた。

いたかったとか、くるしかった とかは、おぼえていないの。

いまは ただ おだやかな 毎日まいにちを くりかえすだけ。

もう、<ruby>悲<rt>かな</rt></ruby>しまないで。と、<ruby>伝<rt>つた</rt></ruby>えて あげたいけれど、<br>
<br>
それは、かなわない みたい。<br>
<br>
ただ、あなたの <ruby>幸<rt>しあわ</rt></ruby>せを、<ruby>静<rt>しず</rt></ruby>かに <ruby>願<rt>ねが</rt></ruby>うだけ。<br>
<br>
<br>
いつかは、あなたの <ruby>記憶<rt>きおく</rt></ruby>も <ruby>消<rt>き</rt></ruby>えてしまう かもしれない。<br>
<br>
<ruby>自分<rt>じぶん</rt></ruby>の かつての なまえも、 <ruby>忘<rt>わす</rt></ruby>れてしまう かもしれない。

もう、かなしまないで。と、つたえて あげたいけれど、

それは、かなわない みたい。

ただ、あなたの しあわせを、しずかに ねがうだけ。


いつかは、あなたの 記憶きおくも えてしまう かもしれない。

自分じぶんの かつての なまえも、 わすれてしまう かもしれない。

<br>
わたし の  なまえ は・・・
<br>


わたし の  なまえ は・・・

ここは、<ruby>影<rt>かげ</rt></ruby>の<ruby>国<rt>くに</rt></ruby>。
<br>
<br>
<ruby>毎日<rt>まいにち</rt></ruby>が おだやかで、やすらかな <ruby>場所<rt>ばしょ</rt></ruby>。

ここは、かげくに

毎日まいにちが おだやかで、やすらかな 場所ばしょ

「影の国のローザ」の挿絵について

この絵本の挿絵は、naokuroさんに依頼して描いていただきました!

naokuro
naokuro

フリー素材の利用について

この絵本は以下のサイトのフリー素材を使用しています。

Old Book Illustrations この絵本の挿絵は、イラストレーターさんへのオーダーイラストとフリー素材で制作しています。 ※フリー素材は表紙の背景と装飾に使用しました。

あとがき

この絵本は、ストーリーを作ってから、なんと1年以上も下書きに眠ったままだった作品です。

というのも、まずテーマが少々重い。自由に解釈して欲しいので敢えてストーリーの解説はしませんが。

あかえほでは、0~4歳向けの絵本を作っております。果たして小さな子供たちが楽しめる内容なのか・・・?

4歳でも微妙なんじゃないか?と考えているうちに、随分時間が経ってしまいました。

それから、挿絵がつけられなかった。難しいテーマなだけに、自分で絵を描くのは絶対に無理だな、と。

それがこの度ご縁があり、naokuroさんに挿絵をお願いすることができました。

イラストACPIXTAなどでご活躍されているイラストレーターさんです。

naokuro
イラストAC/naokuro

以前から交流があったのと、描かれているイラストのタッチなどから、この絵本の世界観を表現できる方なのではないかと思ったんですよね。

結果、見事に私のイメージを形にしてくださいました。

もうね、鳥肌が立ちました・・・!

いいご縁があったことで、『影の国のローザ』は世に出ることができました。

感謝しかないです。

ただ、親御様にお願いしたいのですが、正直小さなお子様にとっては難しく、また感受性の高い子であれば少しショックを受けてしまうようなストーリーだと思います。

どうか無理には与えず、でもこの作品が素敵だなと思っていただけたなら、挿し絵だけで楽しんでもらえたらと思います。

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