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平和がテーマの優しい気持ちになる物語絵本
しあわせのき
絵:夢宮 愛 文:ちびこママ
ハートのかたちの、
かわいいたね。
これは、
「しあわせのき」のたね。
せかいが へいわになると、
かみさまが
うれしなみだを、
ながします。
なみだは、なないろの
あめとなり、
だいちに
ふりそそぎます。
なないろの あめと、
おつきさまの
やさしい ひかりを
あびると、
「しあわせのき」は、
めをだし、
せいちょう していきます。
おとなの「き」になると、
うつくしい はなが
さきみだれ
はなは やがて ちょうとなり
たねを、やさしい ひとの
もとへと、はこぶのです。
あなたのもとにも、
とどくかな。
おしまい
「しあわせのき」の挿絵について
この絵本の挿絵は、夢宮 愛様に依頼して描いていただきました!
あとがき
この絵本は、夫の仕事の都合でドイツに駐在していた時に思いついた作品です。
当時、難民の受け入れを開始して徐々に治安が悪くなり、ヨーロッパの各地でテロが頻発していて、不安な日々を過ごしていました。
絵本のテーマは、シンプルに「平和への祈り」。
イラストACの愛さん絵を見ていて、ストーリーがポンッとできあがりました。
愛さんの絵にはおそらく、平和を願う気持ちが込められているんだと思います。
絵本を作った当時はよかったのですが、現在の規約では、イラストACの素材を絵本に使うにはエクストラライセンスが必要になります。
そこで、今回あらためて挿絵を描き下ろしていただきました。
物語の世界観、挿絵のイメージについて
物語の設定を知りたくない/自分の感じたままの世界観で物語を解釈したいという方は、ここから先は読まないでね^^
挿絵をオーダーするにあたり、愛さんにこの絵本の世界観をお伝えしました。
「ギリシャ神話の要素を取り入れたファンタジー」にしたい、と。
完全に後付けなんですが、依頼するのに、世界観がふわっとしたままでは良くないな、と思い。
「七色の雨」のイメージは、次のようにお伝えしました。
- ギリシャ神話の虹の女神イーリス(全知全能の神ゼウスの妃ヘーラーの忠実な使い)が、神様のメッセージを伝令するイメージ。
- 元の雰囲気のイラストに、イーリスの翼から羽が舞い落ちたような、主線のない白い羽を複数加えてほしい。
- 虹ではなく雨なのは、もとのイラストからの後付けですが、雨は大地を潤す恵みの雨で、生命の誕生や成長を促すもの。虹色の雨を降らせることで神様のメッセージをイーリスが地上に伝えるイメージです。また虹は雨によって出現するので、読者の方も七色の雨で虹を連想できると思います。
- イーリスは神と神、神と人とのメッセンジャーであり仲裁の神とも言われるので、物語の雰囲気にも合うかなと思っています。
「お月さま」のイメージ。
- 狩猟と貞潔の月の女神アルテミスのイメージ。
- 男勝りな強気な女神、なイメージが強いですが、出産を見守る女神でもあるという部分を取り入れ、優しい女神さまが、「しあわせのき」の芽が出るのを見守っているイメージにしたい。
- お月さまの光が大地に降り注ぐような幻想的なイラストを描いてほしい。
「花が蝶となる木」のイメージ。
- 愛の天使エロースに愛された人間の美しい娘で、蝶に例えられるプシュケーのイメージ。
- プシュケーは、ギリシャ語で「息」、転じて「生きること(命・生命)」「魂」「心」を意味する、とのことで、強い生命力、生が受け継がれて行くイメージになればと思います。
- もとのイラストのような雰囲気で、蝶が遠くに羽ばたいていくように描いてほしい。
また、「しあわせのき」について。
- 「しあわせのき」はオリーブの木という設定にしようかなと思います。
- 実際のオリーブの木に似せて描いていただく必要はないですが、平和の象徴として国連旗のモチーフになっていたり、古代ギリシャ人もオリーブの木を神聖な木として大切にしていた、とのことから、平和のイメージと繋げたいと思いました。
お伝えした世界観をとても大切にしてくださり、とても丁寧に描いてくださいました。
心から感謝しております。