私たち家族はドイツに3年ほど駐在していました。ある時旅行の思い出話をしていたら、ふと旦那が言いました。
「今思えば、一番ドイツらしさを感じたのはネルトリンゲンだったよね。」と。
ネルトリンゲン(Nördlingen)はロマンティック街道沿いにある都市。あぁ~、言われてみればそうかも?
ネルトリンゲンと言えば、『進撃の巨人』の舞台とか言われていますが。
でも『進撃の巨人』の世界観を期待して行ってしまうと、物足りなさを感じるかも。
ネルトリンゲンはね、『進撃の巨人』というか、正に日本人が思い描くような、「中世の雰囲気が残るドイツの町」だと思いました。
円形の城壁に囲まれた中世ドイツの町並み
城壁の残る町というのはドイツには何か所かあるんです。でも、ここまで綺麗な円形で、ほぼ完全な形で残っているのはネルトリンゲンだけだと思います。
ネルトリンゲン自体は結構大きな都市です。城壁があって中世の町並みを見られるのは、町の中心に位置する「旧市街(アルトシュタット※)」。
※アルトシュタットは「altstadt」と書きます。altはドイツ語でoldの意、stadtはtown。「古い町」という意味で、いろんな都市にaltstadtが残っています。
日本でいう「古都」みたいな感じですね。アルトシュタットと名の付くエリアに行けば、古い建物が残るいい雰囲気の町並みを観光することができます。
どうです?美しいでしょう?
この写真は見ての通り、パンフレットとポストカードです。
この見事な円形は、残念ながら航空写真でしか見ることができません。
現地でポストカードを探してね(^^;
町を見渡すなら“ダニエルの塔”へ
町の中心にある「聖ゲオルク教会の塔」(通称ダニエルの塔)に登れば、円形であることは確認できます。でも、中心から見ているので、こんな感じになります↓
オレンジの屋根の家がいかにもドイツらしい。
城壁を境に町と緑地がくっきりと分かれる光景・・・確かに『進撃の巨人』を思わせる。(城壁の外にも建物はたくさん建っています。)
ちなみに塔の高さは90mほどあり登るのがちょっと大変です。が、ここまで来たなら絶対登ってください。他では見られない景色です。
有料だけど300円くらいだったかな?支払いは塔の上で。入り口は教会の横の建物の裏口みたいな所ね。ちょっと分かりにくいよ。
聖ゲオルク教会の塔:Windgäßchen, 86720 Nördlingen, ドイツ
古いパンフレットの情報ですが、開館時間をご参考までに。
- 1~2月:10:00-16:00
- 3~4月:10:00-17:00
- 5~6月:9:00-18:00
- 7~8月:9:00-19:00
- 9月:9:00-18:00
- 10月:10:00-17:00
- 11月:10:00-16:00
- 12月:9:00-17:00
ヨーロッパって夏と冬で日照時間が全然違って、営業時間が季節によってバラバラなので要注意です。
あ、ちなみに、パンフレットは旅行前にネルトリンゲン市のホームページから請求したらドイツの家に郵送してくれました。
今はPDFでダウンロードできるみたいです↓
ドイツ語ですが、駐車場などが分かりやすく描かれてる地図もあって便利だよ。
看板猫には会えなかった
ダニエルの塔には猫が住み着いてるって話が有名ですが、会えませんでした。
まあ、猫だし。生き物だし。もうそこそこいい年齢みたいだし・・・。
期待せず行きましょう。
丸いのは隕石のクレーターの上に作られた町だから。クレーター感は皆無だったけど
1500万年前、ネルトリンゲンのこの地に隕石が落下したそうです。その跡地に町ができたので、このように円形になったとか。
歴史的なこととか、その他諸々の逸話とかはこちらのブログをどうぞ↓
↑写真もたくさんあるのでぜひ見てみてください^^
私はこの旅行では何故かあまり写真を撮らなかったので(ノД`)・゜・。
クレーターって言うと、やっぱり中央に向かってくぼんでいるんだろうな、とか思うじゃないですか。
でも実際には、そんな小さなクレーターな訳ないし、町なんだから建物はたくさん建っているし、土地の高低差はまったく感じませんでした。
ただ、隕石に関する展示物が見られる博物館があります。
リースクレーター博物館:Eugene-Shoemaker-Platz 1, 86720 Nördlingen
私たちは時間の都合で行かなかったけど、お好きな方はぜひ。
こちらも古い情報ですが、開館時間をご参考までに。
- 5~10月:火~日曜 10:00-16:30
- 11~4月:火~日曜 10:00-12:00/13:30-16:30
『進撃の巨人』の世界観を求めていくよりも、ドイツの日常っぽさをのんびり堪能したい町
あくまで、個人的な感想ね。
3年くらいドイツに住んで、そこそこ色んな観光地にも足を運んだので、ネルトリンゲンの町並みはどことなく既視感があり、エキサイティングな場所ではありませんでした。
確かに、円形の城壁は美しく珍しい。高い壁(と言っても最大10メートルほど?)、町の中心にそびえ立つ塔、密集した建物・・・それらの風景は『進撃の巨人』が好きな人にはたまらないと思います。
(私も『進撃の巨人』の漫画持っていますが、なんか精神が悪い方向に持っていかれそうなので今読むをストップしてます笑)
でも私たちにとっては、観光地だけど、どこか「素朴な日常」を感じる場所だったんですよね。
『進撃の巨人』の世界観って、常に緊張感が漂い、殺伐としてるじゃないですか。
その世界観とは対照的に、平和で穏やかな雰囲気で。
いやまあ、殺伐とした場所じゃ観光地として成立しないんだけどさ(笑)
おっちゃんたちがビールを立ち飲みしながら談笑してたり。私たちは、レストランに入るでもなく、その辺の屋台でブラートヴルスト(焼きソーセージをパンにはさんだ軽食)を買って食べ歩きしたり。
日本人が思い描くような、絵に描いたようなドイツの町並み。既視感があるとは言えど、意外とそういう風景はどこにでもあるという訳ではない。
一部分だけじゃなくて、城壁の内部のどこを歩いても、この風景・雰囲気が保たれてる。
で、そういう思い描いていた風景の中で、旅行だからって特別なことをする訳でもなく、ぶらぶら歩いて何でもない話をして。ドイツの日常っぽさを堪能できた場所でした。
観光にはむしろ力を入れてる感じで、観光客もそこそこ多かったんだけどね。
伝わるかなぁ?この感じ。ネルトリンゲン観光はとてもいい思い出です。
日本からだとちょっとアクセスしづらいですが、おすすめなので気になる方はぜひ。